耳が不自由な人も一緒に音楽を楽しもうと、福岡市にて新たな取り組みがなされた。 補聴器に直接ステージの音が響く集団補聴装置を使ったコンサートである。ハープ奏者の池田千鶴子さんが出演し、訪れた約100人をハープの音色で包み、魅了した。
 コンサートでは、ステージ上のマイクで集めた音を磁気の力で直接、聴覚障害者の補聴器に送る装置を活用。これによって演奏音が大きく聞こえるという。また、希望者にはハープの近くで演奏を聴いてください。との呼びかけに、嬉しそうにステージに上がる子どもたち。始終、温かな雰囲気と感動に包まれた。その中の一人は「ハープの近くで音が大きく聞こえたよ」と嬉しそうに語っていたのが印象的だった。
 聴覚障害者への音楽の催しというと、とかく動きや振動が伝わりやすい「太鼓の演奏」がほとんど。 それに疑問を感じた池田さんはハープの音色も楽しんでほしいと、今回のコンサートに臨んだという。